ただいま韓国とウルグアイの試合中。
でも、私は１人で家にいる。

昨日、オッパに幼なじみみたいな先輩から
「どこかで食事をしながらサッカーを見よう」という電話がかかってきて、
「一緒に行く？」と聞かれたのだが、
ちょっと迷ったふりをして、
「ごめん。でも行かない」と答えておいた

この先輩という人は50台中盤ぐらいのおじさんなのだが、
奥さんと別居中で、電話も１年ぐらい無視されているらしく、
イベントのたびに私たちにお誘いの電話がかかってくる。

お盆もお正月も、バレンタインも、オッパの誕生日もこのおじさんと３人で過ごした…

オッパの誕生日のときは、何か作ろうかなと思って買い物に行って、ケーキもこっそり準備していたのに、急きょ予定変更。

オッパにちょっと文句を言ったら、
「食事だけして終わるから」ということだったので、
うちの近くのお店に行ったのだが、
たまたまワカメスープが出てきたときに
オッパが「実は僕、誕生日なんですよね」って言ったら、
「へええ～！　じゃあ、シャンパンとケーキを買って、家でお祝いしなきゃ」という流れになってしまった。

さらに、おじさんは「その前にカラオケに行こう！」と言い出し、
そこで２時まで熱唱。

へとへとになったところで家に移動して、ケーキを食べることになった。
しかも、「もうバスないや」と言って泊まっていくことになったので、翌朝も早起きして朝ご飯を作るはめに

クリスマスは「１人じゃ寂しいから」「コヤにおいしいものをごちそうしたい」という理由で呼び出され、一駅分進むのに数十分かかる渋滞中、江南へ。

向かう途中でオッパに「新沙まで行くならカンジャンケジャン（カニのしょうゆ漬け）がいい」と言ったら、「先輩はケチだから多分ダメだと思う」だって。

でも、モノは試しとオッパが「コヤがプロカンジャ…」ぐらいまで言いかけたら、「あそこは接客がなってないから俺は行かない」と即答された。

おぉーい
私が好きなものをごちそうしてくれるはずじゃ…。

バレンタインのときも家に来て、オッパにあげるはずのケーキを「もっとちょうだい」と食べ尽くされた。

いいかげん泣きが入って、実家にメールしたら、
母から「コヤはいい奥さんだと思うよ。西洋の人は突然訪ねてこないらしい」という謎の返事が来た。
西洋の人って誰のことなの…。

何がつらいって、おじさんの話が全体的に湿っぽいことだ。
「ワイフとはうまくいかなくなってしまったけど、今でも愛している」とか、
「俺は浮気は１回もしたことがない」とか、
「飲み屋のお姉ちゃんとも寝たことがない（なんか韓国にはそういうのがある）。コーヒーぐらいは飲んだことはあるけど」とか、
そういうことを酔っ払って話し始めると止まらない。

最初はちょっと同情してたんだけど、
いっつも同じ話だし、何よりオッパが全然聞いてない。

私はとりあえず切なそうな顔をして頷いたりしてみるのだが、
長い長い語りが終わったところで、オッパは
「先輩、早く食べないと肉が焦げますよ」
とか
「この店、うまいでしょ？」とか言うため、そのたびにヒヤヒヤする。

せめて一言感想を述べてからにしてくれ、と文句を言ったことがあるのだが、
ゲラゲラ笑いながら
「だって、もう聞き飽きたんだもん。
肉も焦げるし」って言われた。

そして、おじさんの話はものすごく掴みどころがない。
韓国語で長い話が始まったときは、集中するように気をつけてるんだけど、がんばって聞いてても何が何だかわからなくなることがある。

最初は韓国語能力が足りないせいだろうなと思っていたが、
ほかの韓国人が話すときと比べても圧倒的に意味がわからないことに気づいた。

あるときオッパに「あの先輩の話って意味わかる？」って聞いてみたら、
「ものっすごく散漫だよ」って言われた…
どおりで…。

先輩の誘いは断れないけれど、オッパも苦痛は苦痛であるらしく、
聞き役として私を連れて行ってることがわかったので、
それからは何だかんだ理由をつけて同席しないことにしている。

23時前に電話がかかってきたけど、
「人が多すぎて店が全然空いてない。
イテウォンで何軒も探したけど見つからなくて、また江南に戻ってる。
ミッチゲッタ」
って言ってた。

やっぱり…